長期で投資するのに適した銘柄の特徴と選び方
投資スタイルは百人いれば百通りあり、投資期間によっても狙う銘柄と言うのは変わってきます。
例えば、短期投資なのに業績が長期にわたり伸びている銘柄を選んでも意味ないですし、長期投資なのに直近で10%上昇した銘柄を選定条件にしても意味がないですよね。
そこで本記事では、長期投資に適した銘柄について考察してみたいと思います。
銘柄選びはファンダメンタルズ重視で
投資スタイルは人それぞれと書きましたが、私の場合はインカムゲイン(主に配当金)狙いの長期投資です。
理由としては、今まで投資を経験する中で短期的な株価の動きと言うものには興味が持てず、放置してしまいがちだったからです。また、短期であれ長期であれ株価の動きを読むのは難しいというのもあります。
一方で、インカムゲインは基本的に業績に応じて変動するものであり、ある程度予測可能です。また、長期で保有する前提に立てば、株価に左右されることなく比較的ゆったりと投資ができるということもあり、現在インカムゲイン狙いの投資スタイルに落ち着きました。
※ 投資スタイルは投資をする中で自分にあったものを身につけましょう
⇒ 株式投資で得られる2種類の利益とは?(キャピタルゲインとインカムゲインについて解説)
投資目的によって同じ長期投資でも銘柄選びは変わる
同じ長期投資であっても、投資目的が異なれば選ぶべき銘柄も変わってきます。
その違いは、「インカムゲイン狙い」なのか「キャピタルゲイン狙い」なのか、です。
インカムゲイン狙いであれば株価が安定していて配当が多くでる(株主優待がもらえる)ことが重要ですし、キャピタルゲイン狙いであればより重要なのは株価が上がっていくかどうかですからね。
インカムゲイン狙いの長期投資に適した銘柄の条件
長期(インカムゲイン狙い)で投資するのに適した銘柄の条件についてご紹介していきます。
景気に左右されないビジネスモデルを持っていること
自動車であったり鉄鋼などの業種は、基本的に景気の変動によってその業績も大きく変動します。そのため、景気の変動により株価も大きく変動することになります。
主要なところでいえばトヨタなどがそうです。リーマンショックの時には業績が大きく落ち込みましたし、アベノミクスにより過去最高をたたき出したりしてますよね。
こういった銘柄は長期で保有するよりも、流れに沿って売買を繰り返したほうがパフォーマンスがよくなると考えられます(タイミングよく売り買いできるかはわかりませんが)。
ちなみに、このように景気に左右される株のことを景気敏感株と呼んだりするんですよ。
一方、長期で保有する場合は景気の動きにあまり左右されない銘柄を選んだほうがいいでしょう。例えば、医薬品であったり食品を扱う企業の業績は安定する傾向にあります。
またその他の景気に左右されない銘柄としては、日用品を扱っている企業などもありますが、個別の内容によっては業績が大きく変動することもあるのでしっかりと長期間の業績推移を確認する必要はあるでしょう。
売上高・純利益が安定している
「景気に左右されないビジネスモデルを持っていること」ともややかぶりますが、売上高と純利益が安定している銘柄は長期保有の対象になります。
過去何年分の業績を見ればいいのかというと、できれば10年分は見たいところです。
この期間の中にはリーマンショックであったり欧州不安なども含まれているため、その企業がどれだけ安定した業績を確保できるのかの力を測ることができます。
期待されていない銘柄(業種)
長期で保有、インカムゲイン重視だからとなんでもやみくもに買うのはNGです。
すでに株価が実力以上の位置にある銘柄、特に医療ベンチャーであったりこれから伸びるとされる業種の株はあまり手を出さないほうが無難と言えます。
その業種であったり企業に造詣が深いのであれば別ですが。
そうでないのなら、市場であまり人気がない、注目されていないようなものを狙っていきましょう。そういった銘柄は基本的に安く放置されているものです。
ただし、業績がよくないものはダメですよ。
配当が安定して増加している銘柄
配当を出す(増配を続ける)ためには、安定的な業績の拡大が必要です。
ということは、増配を続けている企業は、業績が比較的安定している企業だと言えます。
もちろん中には無理している企業もあるので注意は必要ですが、連続増配している企業は長期投資の銘柄として検討する価値があるでしょう。
配当金の安定性を見るには、リーマンショックや欧州不安の時期にもしっかりと配当がでていたかをチェックするのがおすすめです。
キャピタルゲイン狙いの長期投資に適した銘柄の条件
長期(キャピタルゲイン狙い)で投資するのに適した銘柄の条件についてご紹介していきます。
拡大余地があるかどうか
既に全語句に店舗がある場合、拡大余地は少なく、寄って業績の伸びもそこまで期待できません。結果的に、株価の大幅な伸びも期待でないでしょう。
一方、まだいくつかの都道府県のみ、フランチャイズを積極化しようとしている段階の企業は拡大余地が大きく、業績の伸びが期待できます。
パイを奪うことができるかどうか
業界内のシェアが低い企業はそれだけパイを奪える余地がありますが、それが実現可能かどうかチェックしてみると良いでしょう。
長期保有だからと言って売るべき時に売らないのは間違い
長期保有前提だからと言って、業績の先行きがよくないと思えるような銘柄を保有しているのは間違いです。また、株価が明らかに実力以上に評価されているときなども同様です。
なぜ長期保有になるのかと言うと、その時点で投資してもいい・保有してても大丈夫と思える積み重ねで、結果的に長期での保有になるためです。
長期保有だからという言葉を持って思考停止するのではなく、定期的にこのまま保有していていいのかということを自問するようにしましょう。
おすすめの書籍
個別株の長期投資家におすすめの書籍は、「ピーターリンチの株で勝つ」です。
この書籍には長期投資向けの銘柄選びのヒントがたくさんあり、投資をする上で注意するべきポイントや銘柄選びでのチェックポイントが詳細に解説されています。
アメリカ株の話なのでわかりにくい部分もありますが、長期投資家のバイブルと言っても過言ではないでしょう。
ツールを使って分析を効率化する
銘柄選びでは自分でいろいろな角度から分析することも重要です。
そのためには各データをエクセルに打ち込むなどの作業が必要ですが、その作業は証券会社の提供しているツールを使うことで効率化できます。
たとえば、GMOクリック証券やマネックス証券では過去最大10年間の業績をグラフ化できるツールなどがあるので、それらを積極的に使っていくことをおすすめします。
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